平均寿命に比べて健康寿命が短くなると、不健康な状態が長いということになります。
すなわち、いくら長生きしても、その間、長期間にわたり介護や入院が必要な状態であれば、健康寿命は短くなります。
逆に、平均寿命と健康寿命にあまり差がないと、亡くなる直前まで健康に過ごしていたということになります。
このため、単に長生きするだけではなく、健康で過ごせる期間である健康寿命を延ばすことがいかに大切かということです。
しかし、近年気になる現象が起きています。厚生労働省のデータによると、平均寿命と健康寿命の差が拡がってきているからです。
2001年の男性の平均寿命は78.07歳でしたが、健康寿命は69.40歳で、その差は8.67年でした。つまり、健康でない状態になってから8.67年後に亡くなるということです。
同じ年の女性の平均寿命は84.93歳に対して、健康寿命は72.65歳で、その差は12.28年でした。
2013年のデータでは、男性の平均寿命80.21歳に対して健康寿命が71.19歳で、差は9.02年ですから、2001年の8.67年と比較すると差が大きくなっています。
2013年の女性のデータでは、平均寿命86.61歳に対して健康寿命が74.21歳で、差は12.40年となり、2001年の12.28年と比べて長くなっています。
すなわち、病気などによって介護や支援などが必要になってから亡くなるまでに、男性では約9年、女性では約12年もの期間を不健康な状態で過ごしていたということになります。
このため、着目すべきは、平均寿命よりも、健康寿命をいかに延ばしていくかです。
この差が拡がらないよう、健康維持に努めて介護や寝たきりといった生活をできるだけ短くすることが大切となります。